ある英語教師の手帳

困った新米英語教師が一人前になるまでの10年の記録

授業準備が全くできてなくて廊下で必死に教科書読んで教室入る、みたいな時に限って神授業ができたりする。

タイトルとあまり関係ないんですが 今日は

「自殺について」

お話していきたいと思う。

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この記事は、

 

  • 身近な10代の中高生が自殺を考えている

  • クラスの生徒や子供、友人、身近な10代が自殺するのではないかと思っており適切な対応が知りたい

  • 自殺のリスクが高い10代の行動、および発見方法を知りたい

こんな方におすすめである。

 

 

10代の自殺について基礎データ

自殺の原因――いじめはたったの10%

「10代の自殺」と耳にすると多くの人が「いじめ」を思い浮かべるのではないだろうか?確かにそういう場合もゼロではないだろう。だが、それ以外の可能性を探らなくなってしまうとしたら、それは大きな間違いである。メディアは自殺の原因をすぐに「いじめ」に結び付けたがる。だが、実際の理由として多いのはもっと他にある。

「進路問題」「家庭問題」「成績不振の問題」である。

これらはいじめ以上にありふれており、誰にでもありうることなのだ。

これに対する対応を間違えてしまうと、一気に自殺へ向いてしまいかねない。

自殺のリスクが高い人の典型的行動

自殺のリスクは、次の3つの因子がそろうと、はね上がる。

 

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①自殺の潜在能力

 家族問題がある/学業不振である/何らかの障がいを持っている/病気をもっている/格闘技経験がある(要するに、「痛み」に強い)

②所属意識が薄い

 自分がその組織で必要とされている実感がない、ということ。

③自分がいるせいで周りに迷惑が掛かっていると思っている

 先輩、同級生、上司にパワハラをされているなど。

以上1~3の因子がそろっている場合、生きる気力が全然ない場合がある。気を付けて接していこう。

自殺に向く子どものメンタル

自殺念慮の高い状態の子どものメンタルは、心理的視野狭窄」&「両価性」という言葉で言うことができる。

「心理学的視野狭窄」とは、視野が狭くなっている状態、思い込みがきわめて激しくなっている状態のことだ。

 

「この辛い状態から早く楽になりたい」=「そのためには死ぬしかない」

 

こんな風に強く信じ込んでいる。願いの根本は「楽になりたい」なのだ。ほかにも方法があるんだぞ、という風に、彼らが考えられるよう、周りの人間は支援していくことが

大切だ。

そして「両価性」であるが、これは「死にたい」と願いつつも「生きたい、助けてほしい」という気持ちも併せ持っているという状態のこと。二律背反・アンビバレントということだ。どんな希死念慮の強い子どもも、心の奥では両価性を有しており、助けを求めているのだ。死=諦め、生きることこそ至高というような考えを押し付けるのではなく「相手から引き出す」「信じる」「根気よく待つ」ということも、周りの人間には求められるだろう。

リストカットと自殺企図

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リストカットをするからすぐに自殺に向くかというと、当然ながら、そういうわけではない。想像がつくと思うがリストカットというのは自殺への第一歩だ。

 

①誰にも見えないところでリストカット

(切ると脳内麻薬が出て、ふわ~っとした感覚になる。悩みが遠ざかり、一時的にいい気持ちになれるのだ)

②周りをコントロールするためにリストカット

(周りにリストカットを察知されると、周りが自分を心配してくれたり、自分のために感情的になってくれる。リストカットをすれば、相手をしてくれるんだ、と学習してしまう。死なない程度にリストカットをくりかえし、誰かが自分を見てくれるという快楽にハマるようになる)

③自分もまわりもコントロールできなくなり、自殺へ

(やがて、「またやってんの」「構ってちゃんキメェよ」という反応をされるようになる。だが、いまさらリストカットを辞めることもできない。それ以外のコミュニケーション方法や気を引く方法がもはやわからない。かといって、リストカットをやめて、もともとの悩みや心の痛みと向きあうことなど考えられないほどの恐怖だ。追い込まれた末に、自殺をしてしまうことがある)

こんな流れとなる。

 

リストカットなんて放っておいたって平気平気。

どうせあの程度の傷じゃ死なないでしょ?」

 

これもめちゃくちゃ危険な考え方なので改めてほしい。

ある調査では、リストカットを10代のうちにしていた人間が、10年後までに自殺企図をする確率というのは、そうでない人間の700倍にもなるのだから。

 

自殺リスクの高い10代にはどう接すればいいの?

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では、自殺リスクの高い10代にはどう接していけばいいのだろう。


■ 「SOSの出し方教育」の実施

教育関係者のかたであれば、SOSの出し方教育をしていくのも有効だ。(推進している県もあります。詳しくは、保健部や教育相談部の先生などにお尋ねください)

 

■ 「話を聞いてほしそうなサイン」を見逃さない

じっくりと腰をおちつけて、相手の話を聞いてあげよう。

 

■ 子どもが話し始めたら絶対にさえぎらない。

■ 子供の話を否定しない。

特に男性のかたに多いのだが、「相談されているんだからきっちり答えを提示しなくちゃ」「ダメな部分を正してあげなきゃ」というのはNGだ。躍起になればなるほど、相手を追いつめてしまう。

 

■ (自殺未遂などを)「もうしないって約束して」などと、無意味な約束を強要しない。

よくこういう事を発言する人がいるが、無意味だということを心に留めてほしい。これはむしろ支援者側の精神の安定のために出がちな言葉だと言われている。約束は相手にとってプレッシャーになる。やめよう。

 

■ 助けを求めた行動を評価してあげる。

ダメな行動は短く冷たく指摘し、望ましい行動は思いっきり上げてほめて強化する。教育学の鉄則だ。

 

■ 逆に、「泣く」「わめく」などの感情的な行動には絶対に出ない。淡々と。

教育業界では、子どもの自殺念慮には「外科医のように対応しろ」と言われる。外科の先生は病院で「なぜこんなけがをしたのか」、「状態はどうか」、などのことを淡々と訊ねることはしても、「ダメよー!!!」などと声を荒げて泣いて叫んだりは絶対しない。むしろ、淡々と迅速に、目の前の患者のことだけを見て、

「私、失敗しないので」

と、ガツンとやるのが外科医である。そういうふうな対応でいいのだ。「自殺念慮を表に出せばみんなが心配してくれる」なんて、子どもが味をしめるようなことではいけない。

 

しっかりと「つなぐ」。

上記のことを実行し、目の前の命をつないだら、しかるべき機関へと、子どもをつないでいきます。

といったところへ、すみやかに電話等で連絡しよう。

子どもがちゃんとそこへ相談に向かうための道筋(電車やバスなどの場合、運賃も含めて大丈夫か、車で送る場合は確実に送り届ける)も、確保してやることが大事だ。一人で行かせて、平気だと思っていたら、途中で……ということもなくはない。何事も確実に着実にが鉄則だ。

言うまでもないことだが、保護者にもしっかりと入ってもらおう。(ただし、相手が毒親等の不適格者だった場合には話は別だ。しっかりと子どもを守ろう)

 

 

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