ある英語教師の手帳

困った新米英語教師が一人前になるまでの10年の記録

デキル英語教師の最低条件10~その4~

デキル英語教師の最低条件

全10回の連載、4つ目の条件は、

④ 各種言語活動で、自分が生徒の「お手本」や「話し相手」になれる。

あるALTとの経験を話したい。

何年か前のことである。新しく本校にALTとして赴任した彼(仮にS氏とする)のことだ。

彼のスペックをここで簡単にご紹介しよう。

 

☆ アメリ東海岸出身のぽっちゃりした30代。白人

☆ 文学部卒

☆ 趣味は文房具収集と読書

☆ 温和な性格で大きな声を出さない。ぽっちゃりしている(二度目)

☆ ALTとしては未経験。前職は大学講師(アメリカ文学科)。

 

さて、彼の授業の様子はどんなだと思うだろうか。

うちの学校ではALTとのteam teachingでは基本的に指導案はすべてALTがつくるのである。未経験でも何でもどんどん作って貰う。(一応、県主催のALT研修はちょこっとだけ存在する)前に勤務していたALTともFacebookなどで交流をもっている。そのため、彼は授業に困ったら連絡を取れる、教えて貰える環境はひととおり整っているとご理解いただきたい。

S氏がALTとなって一年が経った。そこで私は初めて彼とteam teachingを受け持った。それまで高3生を教えていたので、接点がなかったのである。あらかじめ見せて貰ったプリントは、生徒の実態に応じためちゃくちゃ簡単なものである。これでずっこけないはずがない。指導案の確認のなかで話題に出たのだが、彼の指導方針で、プリントには単語のtaskを多めに入れてあるとのことだった。いいよ、いいよ。それを使って会話や表現に持って行ければ最高だよね!

授業初日、さぞかしアクティブな会話の授業が展開されるんだろうと思ったのだが…

 

 

写経。

 

 

ん?と思った。プリントのタスクに単語が多めになっているのは良い。全然いい。そのプリントというのが↓

 

いぬ ・    ・cat

ねこ ・    ・panda

パンダ・    ・dog

 

みたいなプリントなのだが、それを黙々とやって、終わりなのである。ホント。ホントに終わり。それを使って会話をしてみよう、とか一切無し。

 

゜゜(Д)

 

一応、申し訳程度に音読はやるのだ。でもそれも、すげ~~~~~小さい声で、

 

S氏「please repeat.....dog」

生徒「シーン……(え、待って……読むの?読んで良い空気?これ)」

 

みたいな感じなのである。

 

……おいいい!!!!

 

そうじゃないのよ!ALTの大事な役割のひとつは、「英語を喋るよい相手」になること!!アンタっそれじゃ……ただの単語生成botと化してるじゃないの~~~~~~~~!!!そんなことじゃ、AIが発展した未来、いの一番に駆逐されちゃうわよ!!!!

 

その後、彼との授業で私がやたらでしゃばる機会が激増したことは、いうまでもない……。

 

あとで聞いた話では、

S氏「活動、どのぐらい難しくしたらいいのか分からなくてさ……生徒の名前も知らないし。とりあえず単語いっとけば、彼らの英語能力を読み違えることはないかなって思ったんだよね、haha」

 

いやいやいやいや、そこをヒヨっちゃダメなんだって!!

 

 

「最低条件10」のなかの2番目でも論じているとおり、生徒の力量を正確に知っていることは良い授業の必須条件!!

もうね、教えました。しっかりと、生徒との壁を取っ払って、ぐいぐい行かないと生徒の力、わからないよ!って。

でもそれは、生徒のことをALTにしっかりと教えておかなかった我々日本人教師にとっての落ち度でもあるんだよな~。反省しなきゃな。

そんなことをしんみりと痛感したのでありました。

 

その後は授業を改善して、2時間続きの面白いprojectを打ったりとか、team teaching、活性化に向かいつつあります。これからも日々精進だな~!!

 

 

 

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